老後の生活費はいくら必要？

少子高齢化が進む日本では、今後ますます高齢者のための施設や医療機関が必要になり、介護の担い手不足や年金支給年齢引き上げなどの問題が浮上しています。
金融庁が年金収入に加えて、2000万円の資産が必要という見解を出して話題になりましたが、実際にはいくらくらいあれば老後生活は安泰なのでしょうか。

基本的には、定年を迎えた後の老後の生活は年金で賄われますが、支給される年金額も人によって差がありますし、病気になった際の医療費や介護が必要な場合の費用など出費もさまざまです。

平均的には夫婦二人で老後生活を送るために必要な金額は22万円程度と言われていますが、こちらも持ち家かどうかや地域による家賃格差などもあり、明確に答えを出せないのが現状です。

老後の生活費としての介護費用

介護施設に入るといくらくらいかかるのか、代表的な施設の費用をご紹介します。

目的　日常的な食事や入浴といった生活サポートがメイン
対象者寝たきりや認知症、その他病気や障害などによって自宅での生活が困難な人など
入居条件原則要介護3以上
入居一時金入居一時金等の初期費用0円
月額費用約5～13万円

出典：資産運用のプロが伝授するお金の増やし方ガイド：老後に必要な生活費は

特別養護老人ホームは公共の施設なので、月額料金は比較的安いのですが、要介護3以上などの条件も設定されています。費用の安さなどから人気が高く、施設に空きがないと入居できないなどの問題もあります。

入居の条件自立要支援要介護
入居期間原則、終身利用
入居一時金（平均値） 90.8万円
月額利用料（平均値） 13.7万円

出典：老人ホーム・介護施設検索はみんなの介護：住宅型有料老人ホームとは

住宅型有料老人ホームは、介護を必要としない人でも入居でき、介護だけでなくレクレーションなども楽しめる施設です。
月額利用料はお手軽ですが、介護にかかるサービスは利用した分だけ別途発生するので、その分の出費も計算しておく必要があります。

サービス付き高齢者向け住宅の費用は、立地条件や居室の広さ以外に、「一般型」か「介護型」でも違ってきます。※下記は目安となります
初期費用月額費用
一般型数十万円 5～25万円
介護型数百万～数千万円 15～40万円

出典： LIFULL介護：サービス付き高齢者向け住宅とは？

サービス付き高齢者向け住宅は、介護を必要としない方や介護度の軽い方向けに適している施設で、一般的な賃貸物件のように高齢を理由に断られることがなく安心して住み続けられる賃貸住宅です。
一般型の費用には食費や光熱費などは含まれておらず、介護を受ける際には外部の派遣サービスなどを利用する形になります。

老後の生活費にはこれまで必要なかった人でも、病院にかかる回数が増えたり、介護施設の入所を考えたりする可能性もあるため、単なる生活費だけでなく医療費や介護施設の費用なども念頭に置いて計算しておく必要があるでしょう。